店長の部屋(その他)


化粧土のテストです。
白絵土をベースとした化粧土のテストです。
1.化粧土調合:(白絵土:60・蛙目粘土:20・福島長石:20)+ CMC0.5%水溶液等料 + 顔料・酸化金属+10%・+5%
2.使用釉薬:3号石灰釉に重量比で10%炭酸バリウムを加え溶け易く透明性の高い釉薬を使用
3.使用素地:磁器土
4.焼成条件:化粧を施した後850℃で素焼きを行い、無釉と施釉し、1250℃・OF(1時間キープ)


1250℃・OF(釉有)

#80赤:+10%

濃黒:+10%

特黒:+10%

べんがら桜太陽:+8%
酸化コバルト:+2%

べんがら桜太陽:+4%
酸化コバルト:+1%
白絵土:60
蛙目粘土:20
福島長石:20
この調合は良く密着します。
#80赤を外割り10%添加
化粧土は完全焼結しないので
色調が浅くなります。
濃黒を外割り10%添加
青味のある黒です。
特黒を外割り10%添加
茶味のある黒です。
化粧の場合は濃黒より黒いです。
無釉の場合は真黒色ですが
釉有の場合、釉薬と金属が反応し
釉面が荒れます。
釉有の場合、10%添加より
多少落ち着いた釉面となる。

1250℃・OF(釉無)

#80赤:+10%

濃黒:+10%

特黒:+10%

べんがら:+8%
コバルト:+2%

べんがら:+4%
コバルト:+1%
考察
・白絵土に粘りを加える蛙目粘土、素地と密着を高める福島長石を加えることはとても良い結果をもたらす。
・白化粧ではあまり感じないが、色化粧の場合は釉薬の透明性は重要である。
・化粧土は練り込みの場合より焼結度合が異なるので発色が異なり、色調が浅くなる傾向が有る。
・酸化金属を添加し施釉する場合は練り込みの場合より、釉薬に大きな影響を与えるので添加量の再考が必要となる。

下絵具・発色金属を使用した、練込みにおける発色テストです。


1250℃・酸化焼成
釉薬有

1250℃・酸化焼成
釉薬無

1300℃・還元焼成
釉薬無
下絵具・発色金属を磁器土に練込み発色のテストをしました。各外割り+2.5%・+5%・+10%です。

    バナ黄  ・ 赤 紫             バナ黄  ・ 赤 紫             バナ黄  ・ 赤 紫
    イエロー ・ 青 紫             イエロー ・ 青 紫             イエロー ・ 青 紫
    黄呉須  ・ 陶試紅             黄呉須  ・ 陶試紅             黄呉須  ・ 陶試紅
    オレンジ ・ ライラック           オレンジ ・ ライラック           オレンジ ・ ライラック
    紅 赤  ・ 茶グレー            紅 赤  ・ 茶グレー            紅 赤  ・ 茶グレー
   #3 赤  ・ 青グレー           #3 赤  ・ 青グレー           #3 赤  ・ 青グレー
   #80 赤  ・ ヒワ呉須          #80 赤  ・ ヒワ呉須           #80 赤  ・ ヒワ呉須
    桃ピンク ・ 草 青             桃ピンク ・ 草 青             桃ピンク ・ 草 青
    濃ピンク ・ トルコ青            濃ピンク ・ トルコ青            濃ピンク ・ トルコ青

1250℃・酸化焼成
釉薬有

1250℃・酸化焼成
釉薬無

1300℃・還元焼成
釉薬無
下絵具・発色金属を磁器土に練込み発色のテストをしました。各外割り+2.5%・+5%・+10%です。

    赤 茶  ・ 濃 黒             赤 茶  ・ 濃 黒             赤 茶  ・ 濃 黒
    栗 茶  ・ 特 黒             栗 茶  ・ 特 黒             栗 茶  ・ 特 黒
    黒 茶  ・ 黒呉須             黒 茶  ・ 黒呉須             黒 茶  ・ 黒呉須
    茶呉須  ・ べんがら            茶呉須  ・ べんがら            茶呉須  ・ べんがら
   ピーコック ・ マンガン           ピーコック ・ マンガン           ピーコック ・ マンガン
    濃 緑  ・ コバルト            濃 緑  ・ コバルト            濃 緑  ・ コバルト
   海碧呉須  ・ 酸化銅            海碧呉須  ・ 酸化銅            海碧呉須  ・ 酸化銅
   濃ブリュー ・ ニッケル           濃ブリュー ・ ニッケル           濃ブリュー ・ ニッケル
   焼貫呉須  ・ クロム            焼貫呉須  ・ クロム            焼貫呉須  ・ クロム

べんがら・酸化クロム・酸化コバルトを使用した、練込みにおける発色のテストです。


1260℃・酸化焼成

1300℃・還元焼成
べんがら(横綱印)・酸化クロム・酸化コバルトを使用した、練込みにおける発色テストです。
使用した土は磁器土で、いずれも外割り5%、添加割合は三角座標から算出し添加しました。


Fe Cr Co Fe Cr Co


B   C


D   E   F


G   H   I   J


K   L   M   N   O


P   Q   R   S   T   U
A 10 - - L 2 6 2
B 8 2 - M 2 4 4
C 8 - 2 N 2 2 6
D 6 4 - O 2 - 8
E 6 2 2 P - 10 -
F 6 - 4 Q - 8 2
G 4 6 - R - 6 4
H 4 4 2 S - 4 6
I 4 2 4 T - 2 8
J 4 - 6 U - - 10
K 2 8 - - - - -

酸化焔焼成 は、電気窯を使用し、最高温度1260℃(12時間、60分キープ)
還元焔焼成 は、ガス窯(3.5m
)を使用し、最高温度1300℃(20時間、2時間キープ)

特黒の発色のテストです。


1260℃ 酸化焼成
最近の下絵具顔料は釉薬顔料・練り込み顔料としても安定して使用できます。
当店で販売している下絵具の濃黒もかなり安定していますが、
釉薬顔料・練り込み顔料として使用した場合に不安定になる事がありました。
そこで、新しい黒色顔料としてより安定性の高い”特黒”を販売する事にしました。
左上は
釉薬粉末1号釉に特黒を外割り +10%・+5%・+2.5% 添加して発色のテストをしました。
左下は
貫入土に、特黒を外割り +10%・+5%・+2.5% 添加して発色のテストをしました。
焼成条件はともに酸化焼成とし、最高温度1260℃(12時間、90分キープ)です。

1260℃ 酸化焼成

陶試紅・ライラックの発色のテストです。

釉薬粉末1号釉に、陶試紅とライラックを添加して、発色のテストをしました。
これは陶試紅を製造していたメーカーが製造を止めたので、
今後新しい絵具を販売するにあたり、従来との違いを見る為です。
1号釉に対して外割り、+2.5%・+5%・+10%として添加しました。
同時に、練り込みのテストも外割り+10%としておこないました。
酸化焔焼成 は、電気窯を使用し、最高温度1280℃(12時間、30分キープ)
還元焔焼成 は、ガス窯(3.5m
)を使用し、最高温度1300℃(20時間、2時間キープ)

練込における各種着色剤の発色のテストです。

練込における各種着色剤の発色のテストです。
使用粘土は磁器土で、すべて、+10%添加です。
焼成条件は、1200℃、1260℃ 酸化焼成。1280℃還元焼成です。

使用着色剤は
 バナ黄  ・  黄呉須  ・ ヒワ呉須  ・ 草 青  ・トルコ青
グリン呉須 ・  濃 緑  ・ ピーコック ・ 海碧呉須
酸化コバルト・ 青系グレー ・ 茶系グレー ・ 赤 茶  ・栗 茶 
 黒 茶  ・  茶呉須  ・ 陶試紅   ・ ライラック
桃色ピンク ・ 濃ピンク  ・ 赤 紫   ・ 青 紫 
#1 赤  ・ #2 紅赤  ・ #3 赤   ・ #80 赤・オレンジ
酸化クロム ・ 酸化ニッケル・二酸化マンガン・ べんがら 
 濃 黒  ・  黒呉須  ・ 未着色磁器土 です。

焼成温度、雰囲気により発色の安定性に欠ける着色剤がはっきり分かります。

練込における各種着色剤の発色のテストです。
大きなハートは1230℃ 酸化焼成。小さなハートは1300℃ 還元焼成です。
使用粘土は一般的な陶芸用白粘土で、すべて、+10%添加です。
左上から、バナ黄 ・ 黄呉須 ・ ヒワ呉須 ・ トルコ青 ・ グリン呉須
     陶試紅 ・ #2 紅赤 ・ #3 赤
左下から、酸化クロム ・ 酸化ニッケル ・ べんがら ・ 二酸化マンガン
     酸化コバルト ・ 海碧呉須 ・ 練込黒 ・ 濃黒


練込における各種着色剤の発色のテストです。
大きなハートは1300℃ 還元焼成。小さなハートは1230℃ 酸化焼成です。
使用粘土は貫入土で、すべて、+10%添加です。
左上から、黄呉須 ・ ヒワ呉須 ・ 陶試紅 ・ #2 紅赤 ・ #3 赤 ・ グリン呉須
左下から、酸化クロム ・ 酸化ニッケル ・ 二酸化マンガン ・ べんがら
     酸化コバルト ・ 海碧呉須
使用粘土の肌合いにより、かなり感じが変わります。

液体顔料の発色のテストです。

液体顔料の発色のテストです。
使用した可溶性金属塩は、
硫酸鉄、塩化コバルト ・ 硫酸銅 ・ 塩化クロム ・ 塩化ニッケルです。
SK8(酸化)、SK10(還元)共に、
左側は金属移行量が多く、右側は少なくしました。
液体顔料は、素地に浸透する為に、下絵具等とは違った
独特の発色、彩色効果があります。
正し、素地の状態、乾燥の方法、釉薬との相性、
焼成雰囲気等により発色が異なる事が
多く発生しますので、適切な管理が必要です。


白絵土を利用した色化粧土のテストです。


当店で取り扱っている、
白絵土を利用した色化粧土を無釉と施釉の両方を
電気窯を使用し、酸化焔焼成、
最高温度1230℃(12時間、30分キープ)でテストをしました。
色素としての金属、顔料は
全て外割+5%。使用釉薬は松灰釉(福島長石:天然松灰=7:3)です。
左上から
白絵土のみ ・ バナ黄:トルコ青・ #3 赤  ・ 赤 茶 ・ 酸化ニッケル
        (1:1)
 バナ黄  ・  グリン呉須  ・ 海碧呉須  ・ 栗 茶 ・酸化クロム
 黄呉須  ・  陶試紅    ・ 茶系グレー ・ 黒 茶 ・酸化コバルト
 ヒワ呉須 ・  濃ピンク   ・ 青系グレー ・ 濃 黒 ・二酸化マンガン
 トルコ青 ・ #3赤:黄呉須 ・#3赤:黄呉須・ 弁 柄 ・茶呉須
         (1:2)    (1:1)


白絵土、蝋石、朝鮮カオリン、天草陶石を利用した化粧土のテストです。

化粧土のベースとして、白絵土、蝋石、朝鮮カオリン、天草陶石を利用して、
ベースの色、密着度を確認する為に、単体。
そして、福島長石、蛙目粘土を添加した化粧土を比較しました。
無釉と施釉の両方を、電気窯を使用し、酸化焔焼成、
最高温度1230℃(12時間、30分キープ)です。
釉薬は松灰釉(福島長石:天然松灰=7:3)を使用しました。
 
                          ベース(100)
                ベース:長石
(90:10)       ベース:粘土(90:10)
    ベース:長石
(80:20)   ベース:長石:粘土(80:10:10)    ベース:粘土(80:20)
ベース:長石
(70:30) ベース:長石:粘土(70:20:1) ベース:長石:粘土(70:10:2) ベース:粘土(70:30)

ベースによって、色、化粧土にしたときの使い勝手、素地と釉薬との馴染み具合が良く分かります。